1.1 Javaの概要
Javaは、1995年にSun Microsystems(現Oracle)によって開発された、オブジェクト指向のプログラミング言語です。最も特徴的な点は、プラットフォームに依存しない動作が可能であることです。Javaで書かれたプログラムは一度コンパイルされると、「バイトコード」に変換され、Java仮想マシン(JVM)上で実行されます。この仕組みにより、どのOS(Windows、Mac、Linuxなど)でも同じJavaプログラムを動かすことができます。
- 「Write Once, Run Anywhere」(一度書けば、どこでも動く)というスローガンで知られているように、Javaは移植性の高い言語です。
- Javaは多くの大規模なシステムやWebアプリケーション、モバイルアプリケーションの開発で広く利用されています。
1.2 プログラミング言語とは
プログラミング言語は、コンピュータに対して特定の処理を行うための命令を記述するための言語です。例えば、Javaのような高級言語は、人間が理解しやすい構文を持ち、簡単に記述できます。コンピュータはこのコードを直接実行できないため、コンパイルやインタプリタによって機械語に変換する必要があります。
プログラミング言語は大きく分けて以下のような種類があります。
- 低水準言語: 機械語やアセンブリ言語など、ハードウェアに近い言語。
- 高水準言語: 人間に理解しやすく、ハードウェアから抽象化された言語。JavaやPython、Cなどが含まれます。
1.3 Javaの特徴
Javaは、以下のような特徴を持っています。
- オブジェクト指向プログラミング(OOP)
Javaはオブジェクト指向プログラミングを採用しており、プログラムをクラスやオブジェクトとして設計します。これにより、再利用可能で、保守性の高いコードが書けます。 - プラットフォームに依存しない
Javaプログラムはバイトコードに変換され、JVM上で動作するため、異なるOS間で同じプログラムを動かすことができます。 - 豊富なライブラリ
Javaは標準ライブラリや外部ライブラリが非常に豊富で、多くの機能を簡単に利用できます。例えば、ファイル操作、ネットワーク通信、データベースアクセスなども、ライブラリを利用して簡単に実装可能です。 - 強力なメモリ管理
Javaでは、ガベージコレクションによって自動的に不要になったメモリが解放されます。この仕組みにより、メモリ管理の煩雑さが軽減され、プログラマがメモリ管理に頭を悩ませることが少なくなります。 - セキュリティ
Javaは、プラットフォームに依存しないアプリケーションのセキュリティを強化するため、堅牢なセキュリティ機能を持っています。
1.4 Javaの用途
Javaは非常に汎用的なプログラミング言語で、以下のような分野で広く利用されています。
- Webアプリケーション開発
Javaは大規模なWebアプリケーションに特に適しており、企業向けのシステム構築によく使われます。Spring Frameworkのようなフレームワークを使えば、効率的にWebアプリを構築できます。 - モバイルアプリケーション開発
AndroidアプリケーションはJavaで開発されており、モバイルアプリ開発にもJavaは欠かせない言語です。 - デスクトップアプリケーション
デスクトップ向けのアプリケーション開発にもJavaは使われており、クロスプラットフォームのアプリケーションを容易に作成できます。 - クラウドコンピューティング
クラウドベースのサービスやマイクロサービスアーキテクチャにも、Javaは強力な選択肢です。